日記のページ(2004年-1)です。

・08/23 「名前がTV雑誌に載っていた(おみやさん)」

先月「おみやさん」3部 9話の台本をもらった。タクシー運転手の役だった。 この時の事をこの日記に書こうと思っていたが そこそこ忙しくほったらかしになっていた。 その放送がもうすぐとせまり TV雑誌を買ってみたら 「ドラマのあらすじ」のページに久しぶりに私の名前が。 ということで、この日記の事を思い出したので、そのときの事を思い出しながら今日書いてみた。

タクシーの運転手の役ということで、台本をもらった次の日 レンタカー屋に向かった。 普段から時には運転する機会があるというものの やはり撮影までに車を運転しておきたいと思ったのだ。 レンタカー屋で車を借りて ギアやブレーキのチェック。
・・・ ? ? ?
(サイド)ブレーキの位置がわからない・・。 足で踏んでブレーキをかけて ハンドルの下のレバーで解除するタイプは知っていたが、それでもなさそう。 それに、ギアの位置がわからない。ハンドルの横にそれらしきものがついているが 操作方法がわからない。 そうこうする内に レンタカー屋のスタッフがやってきて 「どうしましたか ?」。 素直に教えてもらいました。何でこうもギアやブレーキの位置が毎年毎年どんどん変わって行くんだろう。 ややこしくてしょうがない。
操作方法さえわかれば 運転自体は問題ない。数時間、行く宛もなく あちらこちらを走り回った。

数日後、タクシーを運転しながらの撮影です。 牽引車で車をひっぱりながら撮影するということは聞いてはいたのですが、実際にやるのは今回が初めて。 緊張しました。 実際に牽引車に引っ張られている車に乗っていると不思議な感覚になりますね。 曲がる時に (当り前の事ですが) ハンドルが勝手に回るんです。 で、この日の撮影は無事終了。

そのまた数日後、今度は遠藤久美子さんと話をしていて 急にその場から逃げるように立ち去るシーン。 ここで思いもよらぬ大失態。 「タクシーの所まで走って来て乗り込んだら できるだけすぐに発進して。」と監督に言われ、 テストの間は 車に乗り込むまでで実際には発進させない。

そして本番。 車の所までドーッと走って来て乗り込む。 監督の「できるだけ早く発進」という言葉が頭に浮かび シートベルトをガッと引く。 皆さんのご想像通り・・・ ベルトがロックされ引っ張れない。NG。 シートベルトの着脱になれることを忘れていた。

次の本番。 サイドブレーキを解除して ギアを「ドライブ」にいれようとしたが・・、動かす方向を忘れた。 上か・・、下か・・。やはり ハンドルの横のギアには なれていなかった・・。 とりあえずギアをチェンジして 発進。・・・ ? 後向きに発進してしまいました。NG。
その後なんとかOKになりましたが、遠藤さん、猛暑の中、何度もNGを出してしまいごめんなさい。 撮影前にせっかく車になれようとレンタカーを借りたのに成果なし・・。(^_^;) なんともはや。

と、そんなこんなの撮影でしたが、楽しい撮影でした。その作品が明明後日の放送です。 どんな風に映っているのかな。乞う御期待です。 (08/23/2004)

・06/21 「海外の撮影システム(SAKURA)」

先日、海外の映画「SAKURA」の撮影に行ってきました。 そこで、東映との撮影の方法の違いにびっくりしてしまいました。

まず、この日撮影現場に行くと、カメラがクレーンの上に乗っかっていたんですが、 この日の撮影では一日中、カメラがクレーンの上から降りることはありませんでした。
東映ならば カットごとにカメラを移動させて撮影するんですが、この日の撮影では (もちろん、カット毎にカメラは移動して アングルは変わるんですが、) 毎カット クレーンの首の部分動かしてアングルを決めるだけで カメラはクレーンに乗っかったままでした。 合理的と言えば、合理的な方法です。

そして、東映ならば、そのワンカット毎に 役者などの位置を 「○○さん、もうちょっと右。××さん、その間から顔を出して。」などのように細かく決めるのですが、 この日の撮影では そのような指示はほとんどありませんでした。 役者の位置に合わせて毎度 カメラの位置、画角、動きなどを細かく調整している感じでした。 時おり そのような多少細かい場所の指定が監督やカメラマンからありましたが、 本番になると少々場所がずれても何も問題ないようでした。

東映ではワンシーンをセリフ毎に細かくわけて そのワンカットづつ撮影していきますが、 ここでは カット割りをせずに ワンシーンを通しての全部の芝居の撮影を アングルを変えて数回繰り返して撮影していました。 その時、もし途中でセリフを間違えたりしても NGにならずに 監督がカメラを止めることもなく、 セリフを少し前に戻して すぐに役者が芝居を続けていました。 この日の撮影でも 馬に乗っている人が 2人で会話をしていくのですが、馬が芝居中にどんどん動いて行くんですね。 そんな時でも、カットをかけず カメラも止めずに 馬の位置を修正してまたすぐに芝居が続けられます。 馬の位置が少々ずれていても カメラの方で調整しているようでした。 東映では考えられない話です。 恐らく、この方法での撮影とは映画を作るための素材を集めることで、 いろんなアングルから撮った そしてまた 同じアングルからでも何度も繰り返し撮ったその素材を 切り分けてつなぎ合わせて 編集することを重要視して 映画を作っていってるんでしょうね。

それから、本番前のリハーサルなんですが、この日はほとんどありませんでした。 セット撮影のときは 撮影日よりも前に日にちをとり、(撮影無しの)リハーサルだけをすることもあるようですが、 この日の撮影では ほとんどリハーサルがありませんでした。 最初の 1方向からの撮影のときは さすがに芝居を固めるために 何度もリハーサルを行いましたが、 そのカットの本番が終わって次のカットの撮影になると もう今度はリハーサル無しでいきなり本番でした。 東映では、本番が終わって次のカットの撮影のときには 役者の位置の確認・修正や 照明の調整を含めて 毎回必ずリハーサルを行います。 この現場ではいざカメラが回り始めると リハーサル無しで次から次に撮影していきますので、ほんと早いですね。 ただ、カメラが回り始めるまでの 芝居をかためていく作業や ディスカッションなどには かなり時間がかかっていましたけど。

この作品の撮影にはまだ 1日しか参加していないので、セットの撮影のときはまた様子が違うかもしれませんし、 このシステムが アメリカの標準的なシステムかどうかもわかりませんが、本当にいい経験になりました。 この映画が 素晴しい映画となり 映画館でみなさんの目に止まる日を楽しみにしております。 (06/21/2004)

・04/06 「村上弘明さん(銭形平次)」

3月22日から27日と29日が、「銭形平次」第5話の撮影でした。
今回は全部で10シーンほど出演していますが、 一日に1・2シーンほどの撮影が続き 自分が出演しているシーンの撮影が終了するまで結局7日間かかりました。
26日が 平次親分の村上弘明さんとの会話のシーンでした。
私が出演するシーンのライティングなどがまだ行われている最中、私はすでに舞台となる現場近くにいました。 するとそこへ まだ「村上さ〜ん、現場にお願いしま〜す。」とスタッフに呼ばれる前なのに、 現場に来られまして、なんと自分のセリフをしゃべり始められました。 私はこんな状況は そんなに記憶がないので、一瞬 どうしてよいやらわからず ポカ〜ンとしていましたが、 少ししてやっと気がついて その村上さんのセリフの後にしゃべるセリフをやっと口にしました。 つまり、主役が自ら現場に来て 私とセリフ合わせをしてくれたのでした。
これは 不器用な私にとって とってもありがたく嬉しいことでした。 本番前のリハーサルの時も 私に動きなどのアイディアを出してくださいました。
そして、29日 大覚寺で「ラス立ち」の撮影をしている時のことです。
私の役は 油問屋の番頭でして、悪い奴ではないのですが、村上さんが近くまで来てくれて 「実は、番頭が影の大悪だったりしてな。」みたいな冗談を私に言われました。 嬉しかったですね。今までイスに座っておられたのに、 わざわざ立って 私のところに来てそんな冗談を言われたのです。
そして次は、私が出演している話がアップして 次の監督の話の撮影がインしてからのことです。
その日、私は「銭形平次」のオープン撮影に参加していました。村上さんも一緒です。 連続して役が降りることはありませんので、エキストラとして撮影に参加していました。 そうすると、リハーサルの合間に 村上さんが 「あれ? 番頭さん、こんなところに・・。一番の大悪はお前さんかい?」みたいな事で 話しかけてくれました。
私はその時の番頭さんのつもりで 「親分さん、こんな人が多いところで (私が一番の大悪だったことを)ばらさないでくださいよ。」 というつもりで、口に指をあて まわりをきょろきょろしながら 「シー、シーッ!」と返事をしましたが、私のそのリアクションがあまりに突然だったようで、 私の意図が伝わらずに 村上さんを困らせてしまったようでした。
「あの時は こういうつもりで 『シーッ!』ってやったんです。」などと本人に改めて言いに行く度胸もないので、 この場で村上さんに謝っておきます。どうも、すみませんでした。(^_^)
自分の番組を面白くするために一生懸命で 私達に気軽に声を掛けたり セリフ合わせをしてくれる村上さんは すごいなぁと感じると共に、また一緒に仕事ができたらいいなぁと思った「つる」でした。 (04/06/2004)