・12/22「ぶっつけ本番(人間の証明)」
先日、数年振りの体験をしました。
私は警官の役です。
撮影するシーンは、私が自転車を漕ぎながら、女の子と一緒に病院に向かうというシーンです。
自転車に乗った女の子の後ろからは、この作品の主役の二人の刑事さんが自転車なしで走ってついてきます。
タクシーに乗って撮影所を出発し、現場に着くと前のシーンの撮影は終っていて、
私たちのシーンの為のカメラのセッティングも既に終り、
つまり、所謂、「私たち待ち」の状態になっていました。
撮影現場の脇で急いで警官の装備を終えて現場に向かいます。
出演者四人の準備が整い、皆が揃ったところで監督からこのシーンの説明です。
そして四人はスタート位置にスタンバイです。
まずは、助監督が自転車に乗り、自転車のコースを軽〜く確認。
確認も終り、「いよいよ私たちのリハーサルかな」と自転車を跨いだところで監督から聞こえて来たのは「本番!」の声。
「え?」
いや、その〜、私たちはまだ一度もリハーサルをしていません。各人がどんな芝居をするかも監督は見ていません。
でも「本番!」の声。
先頭を走る私はどんなスピードで走れば良いのか、
どのコースで走れば後続の人たちを隠さないですむのか分からないままでの本番です。
とは言え、後続の役者さん達はベテランの方々ばっかり。もう、信用して走るしかありません。
カメラのすぐ脇を四人が通り過ぎたところで「カット!」
なんと、そのカット、「OK」になりました。このシーンの撮影は終了です。
以前、レギュラー番組が何本もあった時代には普通だったこの方法。
リハーサル無しで、すぐカメラを回しての本番の撮影。通称、「ぶっつけ」。
久し振りの感じで、とても嬉しく思いました。(Dec 22,2016)
・10/20「交通費精算(関ヶ原)」
ずっと昔から一度やってみたかった事が実現しました。
東京から役者さんが撮影に来られると、演技事務の担当の方と会って新幹線などの交通費の精算をされます。
領収書を渡して、「◯◯円ですね」と立て替えていたお金を受け取ります。
普通の光景なのですが、私個人は一度も経験がないんです。
宿泊ロケがあっても、いつもスタッフや他の演技者の方と一緒に移動です。
私一人で新幹線に乗って現場へ行き、交通費の精算をすると言う機会は
長い役者生活の中で今まで一度もありませんでした。
長い間ずっと「一度は経験してみたい」と思っていた事でしたが、今回、遂に念願が叶いました。
なんという事ない普通の事ですが、本当に嬉しかったです。(^^
話は変わりますが、この作品である女優さんと一緒のシーンに出ております。
テレビで毎日お目にかかる人気がかなりある女優さんです。
撮影では一つのカットの撮影が終ったら、次のカットの為の舞台のセッティングをしたり
ライトの位置を変えたりする為の準備の時間が、数分から、長い時で数十分かかります。
その度にメインの役者さんたちは普通、スタッフが用意してくれた撮影現場から少し離れた場所で休憩をされるんですが、
この役者さんは、この準備中の時間でも現場を離れることなく、
いつスタンバイの声が掛かってもすぐに対応できるようにと
現場のすぐ脇でメイク直しや着付け直しをされていました。
その姿勢に感動しました。
この作品での私の撮影はあと一日残っています。がんばります。
(Oct 20,2016)
・09/21「再出発(科捜研の女 16)」
科捜研の女で役をいただきました。区役所の職員の役です。
科捜研の女といえば、シーズン13で、あるレギュラーキャストの上司の役をいただき、
そのおかげで私も京都府警広報課係長の役として数話に出演させていただきました。
シーズン13が終了し、そのレギュラーキャストの方は出演されなくなった事で、
私の京都府警広報課としての役は終了していたのですが、
シーズン14に入ってからも数回、引き続き広報課課長の役で出演させていただきました。
シーズン15になりますと、結果として広報課の者が登場する場面はなく、
しかもシーズン13で広報課係長でサブレギュラー出演しているというイメージもありましたので
私自身は広報課係長以外での役での出演もありませんでした。
私個人的には、広報課係長以外では出演しないという形は嬉しい事ではありました。
今回、区役所の職員での出演という事で本音の所で言うと、
「また科捜研に出ることが出来る」という感覚と
「広報課係長のイメージがなくなった」という感覚が混った複雑な心境になりました。
これからまた、いろんな役で出演させていただきます。
視聴者の皆様、スタッフの皆様、よろしくお願いいたします。
(Sep 21,2016)
・04/07「クビにならないように(立花登 青春手控え)」
ドラマのシリーズ物「立花登 青春手控え」で、役を頂きました。
レギュラーでの出演と聞いてはいますが、今後どうなるか分かりません。
とにかく、がんばります。
ちなみに、第4話で「役名」が付きました。
(Apr 07,2016)
・03/03「リモコン?(子連れ信兵衛 2)」
先日、「子連れ信兵衛 2」の撮影で松竹さんに行ってきました。
役は捕手で、悪一味を掴まえに行きます。
撮影開始の放送がかかり、オープンに向かい、装身具を付けます。
草鞋を履いて、十手と六尺棒を持って、あとは御用提灯です。
「・・・?」
あれ、衣装に隠して運ぶための携帯用の重たい重たいバッテリーがありません?
捕手で御用提灯を持つのもかなり久し振りですが、最後に御用提灯を持った時には確かにバッテリーを仕込みました。
ああ、なるほど、電球じゃなくて本物の蝋燭を使うのか・・・
「・・・?」
中を覗いてみると、中には蝋燭でなく電球が仕込まれています。
という事は・・・電球を点ける為のスイッチがこの辺に・・・
「・・・?」
スイッチもない・・・
「なに?」「なに?」「なんで?」私があたふたしていると、同じ捕手の役の方がやって来て
「スイッチはないよ。小道具さんがリモコンで点けてくれるから」
「なぬ!?」
小道具さんが提灯の側にリモコンの送信機を近付けて「カチッ」とするだけで、提灯が点いたり消えたりします。
私が知らない間に御用提灯が進歩していました。恐れ入りました。
(Mar 03,2016)
・02/15「80パーセント(実録 福田和子)」
今年初めての役を頂きました。いかがわしい宿屋の主の役です。
という事で、衣装合わせの時に監督と話をして髭を伸ばす事になりました。
昨日が撮影の日だったので、衣装合わせの日から二週間あり、かなり汚ない感じで伸びました。
私が頂く役は、他の誰かに何かを報告するといった感じの役が多いのですが、今回は私の役がそのシーンの雰囲気を作る事ができるという嬉しいお仕事でした。
衣装合わせの時に、監督から「湿った感じの役にして」とのお言葉を頂いていたので、
どうしようかといろいろ考える事になりました。
台本を頂くと、その役が「どんな人」なのかを考えて、「どんなイメージ」で演じるのか、
台本に合せてその人物は「どんな行動」をするのかを考えて撮影に挑みます。
今までの経験上、私が作ったイメージ通りに演技をすると多くの監督からは「やりすぎ」とのダメ出しを頂きます。
(もちろん、私のイメージ通りの演技を喜んでくれる監督さんもいらっしゃるのですけど)
そこで、いつも撮影の時には、「私が作ったイメージ」の80パーセントぐらいの思いで最初のリハーサルに挑みます。
そして、その後の監督からのダメ出しや監督の表情から監督の持っているイメージを掴み、それに合わせようとがんばるわけです。
今回も80パーセントの「イメージ」を持って最初のリハーサルを行いました。
すると、監督がカメラマンに話しかけている声が聞こえてきます。
「このシーンは多少アブノーマルでもいいからね」
「よっしゃ!」
もうちょっと、やっちゃっても良いみたいです。
気分を良くした私は、本番の撮影では「いかがわしさ」を10パーセント増量で演技をさせていただきました。
(100パーセントにすると、さすがに自分でも「やりすぎ」だと思ったので・・・)
監督が持っているイメージを出来るだけ早く掴み、そしてそのイメージに出来るだけ私の演技を近付ける。
この監督との「駆け引き」が本当に楽しいです。
さて、どんな感じのシーンになっているかは・・・放送を見た時のお楽しみです。
(Feb 15,2016)